ガイド登山約款
             第1章 総則
(適用範囲)
第1条 ガイドのサカが顧客との間で締結するガイド登山に関する契約(以下「ガイド登山契約」といいます。)は、この約款の定めるところによります。この約款に定めのない事項については、法令又は一般に確立した慣習によります。
2 ガイドのサカが法令に反せず、かつ、顧客の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは、前項の規定にかかわらず、その特約が優先します。
(用語の定義)
第2条 この約款で「ガイド登山契約」とは、ガイドのサカがあらかじめ登山の目的地、登山ルート及び日程並びにガイド登山代金の額を定めた計画を作成し、これに基づいて登山する顧客にガイドを随行させて、登山ルートの案内及び登山における安全管理に関す
る助言を行うと共に、ガイド登山に必要なサービスを手配する業務を実施する契約をいいます。
2 この約款で「ガイド登山の開始」とは、ガイド登山契約において定めた集合場所において集合時刻を迎えたときをいい、「ガイド登山の終了」とは、ガイド登山契約における行程の終了場所において随行するガイドがガイド登山の終了を告知したときをいいます。
3 この約款で「ガイド」とは、ガイド登山契約における登山ルートの案内及び登山における全管理に関する助言の業務を行う者であって、公益社団法人日本ガイド協会が認定する、各種ガイド資格を有するものをいいます。
(クレジットカード等による決済)
第3条 クレジットカード等による決済は、利用せず、登山開始前に現金で支払うこととする。
(ガイドのサカの業務)
第4条 ガイドのサカは、善良な管理者の注意をもって以下のガイド登山契約上の業務を履行するものとします。
(1) 顧客に対し、あらかじめ定めた計画に沿って目的地までの登山ルートを案内すること。
(2) 顧客の安全かつ円滑なガイド登山の実施を確保するため、登山における安全管理に関する助言を行うこと。
(3) ガイド登山の実施に必要なサービスを手配すること。ただし、運送又は宿泊のサービスの手配は行いません。
(再委託)
第5条 ガイドのサカは、ガイド登山契約の業務の履行にあたって、その業務の一部を第三者に委託することがあります。
        第2章 契約の締結
(契約の申込み)
第6条 ガイドのサカとガイド登山契約を締結しようとする顧客は、所定の申込書に所定の事項を記入しなければなりません。
2 ガイド登山の参加に際し、特別な配慮を必要とする顧客は、契約の申込時に申し出てください。このとき、ガイドのサカは可能な範囲内でこれに応じます。
3 前項の申出に基づき、ガイドのサカが顧客のために講じた特別な措置に要する費用は顧客の負担とします。
(電子メールによる予約)
第7条 ガイドのサカは、電子メールの通信手段によるガイド登山契約の予約を受け付けます。この場合、予約の時点では契約は成立しておらず、顧客は、ガイドのサカが予約の承諾の旨を通知した後、ガイドのサカが定める期間内に、前条第1項の定めるところにより、ガイドのサカに申込書を提出しなければなりません。
2 前項の定めるところにより申込書の提出等があったときは、ガイド登山契約の締結の順位は、当該予約の受付の順位によることとなります。
3 顧客から第1項の期間内に申込書の提出等がない場合、ガイドのサカは予約がなかったものとして取り扱います。
(契約締結の拒否)
第8条 ガイドのサカは、次に掲げる場合において、ガイド登山契約の締結に応じないことがあります。
(1) ガイドのサカがあらかじめ明示した性別、年齢、資格、技能、登山装備その他のガ
イド登山参加者の条件を満たしていないとき。
(2) 参加人数が当該ガイド登山の参加人数の上限に達したとき。
(3) 顧客が他の顧客に迷惑を及ぼし、又はガイド登山の円滑な実施を妨げるおそれがあるとき。
(4) 顧客が、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係者、暴力団関係企業又は総会屋等その他の反社会的勢力であると認められるとき。
(5) 顧客が、ガイドのサカに対して暴力的な要求行為、不当な要求行為、取引に関して脅迫的な言動若しくは暴力を用いる行為又はこれらに準ずる行為を行ったとき。
(7) 顧客が、風説を流布し、偽計を用い若しくは威力を用いてガイドのサカの信用を毀損し若しくはガイドのサカの業務を妨害する行為又はこれらに準ずる行為を行ったとき。
(8) その他ガイドのサカの業務上の都合があるとき。
(契約の成立時期)
第9条 ガイド登山契約は、ガイドのサカが契約の締結を承諾した時に成立するものとします。
(契約書面の交付)
第10条 ガイドのサカは、前条に定める契約の成立後速やかに、顧客に、ガイド登山日程、ガイド登山で提供されるサービスの内容、ガイド登山代金その他の条件及びガイドのサカの責任に関する事項を記載した書面(以下「契約書面」といいます。)を交付します。
2 ガイドのサカは、第1項の契約書面を交付した時点で内容の確定されていないサービスがある場合には、契約書面の交付後、ガイド登山の開始日までに、これらの確定状況を記載した補充の契約書面を追って交付します。
3 ガイドのサカがガイド登山契約により義務を負うサービスの範囲は、契約書面に記載するところによります。
4 ガイドのサカは、予め顧客の承諾を得て、契約書面の交付に代えて、情報通信の技術を利用する方法により当該書面に記載すべき事項(以下この条において「記載事項」といいます。)を提供したときは、顧客の使用する通信機器に備えられたファイルに記載事項が記録されたことを確認します。
5 前項の場合において、顧客の使用に係る通信機器に記載事項を記録するためのファイルが備えられていないときは、ガイドのサカの使用する通信機器に備えられたファイル(専ら当該顧客の用に供するものに限ります。)に記載事項を記録し、顧客が記載事項を
閲覧したことを確認します。
(ガイド登山代金)
第11条 顧客は、ガイド登山の開始日にガイドのサカに対し、契約書面に記載する金額のガイド登山代金を現金で支払わなければなりません。ガイド登山契約の成立日とします。
          第3章 契約の変更
(契約内容の変更)
第12条 ガイドのサカは、天災地変、戦乱、暴動、感染症の発生、官公署の命令又は交通機関の運行中止若しくは変更その他のガイドのサカの関与し得ない事由が生じた場合において、ガイド登山の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは、顧客にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して、ガイド登山の日程、サービスの内容その他のガイド登山契約の内容(以下「契約内容」といいます。)を変更することがあります。ただし、緊急の場合において、やむを得ないときは、変更後に説明します。
2 ガイドのサカは、前項に基づき契約内容を変更するときは、変更後の契約内容が当初の契約内容の趣旨にかなうものとなるよう努めること等、契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力します。
(ガイド登山代金の額の変更)
第13条 ガイドのサカは、前条の規定に基づく契約内容の変更によりガイド登山の実施に要する費用(ガイドのサカが手配したサービスのうち、契約内容の変更のために提供を受けられなかったサービス提供機関に対して取消料、違約料その他既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用を含みます。)の減少又は増加が生じる場合には、当該契約内容の変更の際にその範囲内においてガイド登山代金の額を変更することがあります。
2 ガイドのサカは、参加人数によりガイド登山代金が異なる旨を契約書面に記載した場合において、ガイド登山契約の成立後にガイドのサカの責に帰すべき事由によらず当該参加人数が変更になったときは、契約書面に記載したところによりガイド登山代金の額
を変更することがあります。
(登山者の交替)
第14条 ガイドのサカとガイド登山契約を締結した顧客は、ガイドのサカの承諾を得て、契約上の地位を第三者に譲り渡すことができます。
2 顧客は、前項に定めるガイドのサカの承諾を求めようとするときは、ガイドのサカ所定の用紙に所定の事項を記入の上、所定の金額の手数料とともに、ガイドのサカに提出しなければなりません。
3 第1項の契約上の地位の譲渡は、ガイドのサカの承諾があった時に効力を生ずるものとし、以後、ガイド登山契約上の地位を譲り受けた第三者は、当該ガイド登山契約に関する一切の権利及び義務を承継するものとします。
         第4章 契約の解除
(顧客の解除権)
第15条 顧客は、いつでも別表に定める取消料をガイドのサカに支払ってガイド登山契約を解除することができます。
2 顧客は、次に掲げる場合において、前項の規定にかかわらず、ガイド登山の開始前に取消料を支払うことなくガイド登山契約を解除することができます。
(1) ガイドのサカによって契約内容が変更されたとき。ただし、次に掲げる変更はこの限りではありません。
イ ガイド登山の安全かつ円滑な実施を確保するためにガイドのサカまたは随行するガイドが決定した、登山ルート、目的地、顧客の参加条件の変更。
ロ その他重要事項にあたらない事項の変更。
(2) 天災地変、戦乱、暴動、感染症の発生、官公署の命令又は交通機関の運行中止若しくは変更その他のガイドのサカの関与し得ない事由が生じた場合において、ガイド登山の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。
(3) ガイドのサカの責に帰すべき事由により、契約書面に記載したガイド登山日程に従ったガイド登山の実施が不可能となったとき。
3 ガイド登山の開始後において、当該顧客の責に帰すべき事由によらず契約書面に記載したサービスを受領することができなくなったとき又はガイドのサカがその旨を告げたときは、ガイドのサカは、ガイド登山代金のうちサービスの当該受領することができなく
なった部分に係る金額を顧客に払い戻します。ただし、これがガイドのサカの責に帰すべき事由によらない場合は、当該金額から、当該サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを顧客に払い戻します。
(ガイドのサカの解除権-ガイド登山の開始前の解除)
第16条 ガイドのサカは、次に掲げる場合において、顧客に理由を説明して、ガイド登山の開始前にガイド登山契約を解除することがあります。
(1) ガイドのサカが契約書面であらかじめ明示した性別、年齢、資格、技能、登山装備その他のガイド登山参加者の条件を顧客が満たしていないことが判明したとき。
(2) 顧客が病気、必要な介助者の不在その他の事由により、当該ガイド登山に耐えられないと認められるとき。
(3) 顧客が他の顧客に迷惑を及ぼし、又はガイド登山の円滑な実施を妨げるおそれがあると認められるとき。
(4) 顧客が、契約内容に関し合理的な範囲を超える負担を求めたとき。
(5) 顧客の数が契約書面に記載した最少催行人員に達しなかったとき。
(6) スキーを目的とするガイド登山における必要な降雪量等のガイド登山実施条件であって契約書面に明示したものが成就しないおそれが極めて大きいとき。
(7) 天災地変、戦乱、暴動、感染症の発生、官公署の命令又は交通機関の運行中止若しくは変更その他のガイドのサカの関与し得ない事由が生じた場合において、ガイド登山の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。
(8) 顧客が第8条第5号から第7号までのいずれかに該当することが判明したとき。
2 顧客が第11条第1項の契約書面に記載する期日までにガイド登山代金を支払わないときは、当該期日において顧客がガイド登山契約を解除したものとします。この場合において、顧客は、ガイドのサカに対し、前条第1項に定める取消料に相当する額の違約料を支払わなければなりません。
3 ガイドのサカは、第1項第5号に掲げる事由によりガイド登山契約を解除しようとするときは、ガイド登山の開始日の前日から起算してさかのぼって13日目(日帰りガイド登山については3日目)に当たる日より前に、ガイド登山を中止する旨を顧客に通知します。
(ガイドのサカの解除権-ガイド登山の開始後の解除)
第17条 ガイドのサカは、次に掲げる場合において、ガイド登山の開始後であっても、顧客に理由を説明して、ガイド登山契約の一部を解除することがあります。
(1) ガイドのサカが契約書面であらかじめ明示した性別、年齢、資格、技能、登山装備その他のガイド登山参加者の条件を顧客が満たしていないことが判明したとき。
(2) 顧客が病気、必要な介助者の不在その他の事由によりガイド登山の継続に耐えられないとき。
(3) 顧客がガイド登山を安全かつ円滑に実施するためのガイドその他の者によるガイドのサカの指示への違背、これらの者又は同行する他の顧客に対する暴行又は脅迫等によりガイド登山の規律を乱し、当該ガイド登山の安全かつ円滑な実施を妨げるとき。
(4) 顧客が第8条第5号から第7号までのいずれかに該当することが判明したとき。
(5) 天災地変、戦乱、暴動、感染症の発生、官公署の命令又は交通機関の運行中止若しくは変更その他のガイドのサカの関与し得ない事由が生じた場合であって、ガイド登山の継続が不可能となったとき。
2 ガイドのサカが前項の規定に基づいてガイド登山契約を解除したときは、ガイドのサカと顧客との間の契約関係は、将来に向かってのみ消滅します。この場合において、顧客が既に提供を受けたサービスに関するガイドのサカの債務については、有効な弁済がな
されたものとします。
3 前項の場合において、ガイドのサカは、ガイド登山代金のうち顧客がいまだその提供を受けていないサービスに係る部分に係る金額から、当該サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを顧客に払い戻します。
(ガイド登山代金の払戻し)
第18条 ガイドのサカは、第13条第1項の規定によりガイド登山代金が減額された場合又は前三条の規定によりガイド登山契約が解除された場合において、顧客に対し払い戻すべき金額が生じたときは、顧客に対し当該金額を払い戻します。
2 前項の規定は第24条又は第25条第1項に規定するところにより顧客又はガイドのサカが損害賠償請求権を行使することを妨げるものではありません。
(契約解除後の帰路案内)
第19条 ガイドのサカは、第17条第1項第1号、第2号又は第5号の規定によってガイド登山の開始後にガイド登山契約を解除したときは、顧客の求めに応じて、顧客が当該ガイド登山を開始した場所に戻るために必要な帰路の案内及びこれに随行する業務を引き受けます。
2 前項の業務に要する一切のガイド登山代金及び費用は顧客の負担とします。
         第5章 団体・グループ契約
(団体・グループ契約)
第20条 ガイドのサカは、同じ行程を同時に登山する複数の顧客がその責任ある代表者(以下「契約責任者」といいます。)を定めて申し込んだガイド登山契約の締結については、本章の規定を適用します。
(契約責任者)
第21条 ガイドのサカは、特約を結んだ場合を除き、契約責任者はその団体・グループを構成する顧客(以下「構成者」といいます。)のガイド登山契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなし、当該団体・グループに係る取引は、当該契約責任者との間で行います。
2 契約責任者は、ガイドのサカが定める日までに、構成者の名簿をガイドのサカに提出しなければなりません。
3 ガイドのサカは、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、何らの責任を負うものではありません。
4 ガイドのサカは、契約責任者が団体・グループに同行しない場合、ガイド登山の開始後においては、あらかじめ契約責任者が選任した構成者を契約責任者とみなします。
          第6章 登山日程の管理
(ガイドのサカの指示)
第22条 顧客は、ガイド登山の開始からガイド登山の終了までの間において、ガイド登山を安全かつ円滑に実施するための登山・ガイドの指示に従わなければなりません。
(保護措置)第23条 ガイドのサカは、ガイド登山中の顧客が、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは、ガイド登山の中止又は登山の目的地若しくは登山ルートの変更その他の必要な措置を講じ、又は講ずるよう助言することがあります。これがガイドのサカの責に帰すべき事由によるものでないときは、当該措置に要した費用がある場合は顧客の負担とし、顧客は当該費用をガイドのサカが指定する期日までにガイドのサカの指定する方法で支払わなければなりません。
2 ガイドのサカが前項の措置又は助言によりガイド登山が中止又は変更された場合でも、ガイド登山代金の返金はいたしません。
            第7章 責 任
(ガイドのサカの責任)
第24条 ガイドのサカは、ガイド登山契約の履行に当たって、ガイドのサカ又はガイドのサカが第5条の規定に基づいて業務を委託した者が故意又は過失により顧客に損害を与えたときは、その損害を賠償する責に任じます。ただし、損害発生の翌日から起算して2
年以内にガイドのサカに対して通知があったときに限ります。
2 顧客が天災地変、戦乱、暴動、感染症の発生、官公署の命令又は交通機関の運行中止若しくは変更その他のガイドのサカの関与し得ない事由により損害を被ったとき、又は顧客が前条第1項の措置または助言に従わなかったことにより損害を被ったときは、ガイ
ドのサカは、前項の場合を除き、その損害を賠償する責任を負いません。
3 ガイドのサカは、第1項の場合を除き、第12条第1項に基づく契約内容の変更又は前条第1項の措置又は助言によって生じた顧客の損害を賠償する責任を負いません。
(顧客の責任)
第25条 顧客の故意又は過失によりガイドのサカが損害を被ったときは、当該顧客は、損害を賠償しなければなりません。
2 顧客は、ガイド登山契約を締結するに際しては、ガイドのサカから提供された情報を活用し、顧客の権利義務その他のガイド登山契約の内容について理解するよう努めなければなりません。
3 顧客は、ガイド登山の開始後において、契約書面に記載されたサービスを円滑に受領するため、万が一契約書面と異なるサービスが提供されたと認識したときは、速やかにその旨をガイドのサカ又はガイドに申し出なければなりません。
4 顧客は、ガイド登山における疾病、傷害等の事故による損害を担保するための保険に自らの責任と費用負担において加入するものとします。
5 顧客は、登山装備を自らの責任において用意してガイド登山に参加するものとします。
登山装備の破損、盗難については顧客がその責を負うものとします